Introduction
Primary Blue
〜原色の青〜

HPのコンセプト

このHPは東アフリカに位置するマラウィー共和国(Republic of the Malawi)・タンザニア連合共和国(United Republic of Tanzania) ・モザンビーク共和国(Republic of Mozambique)の3ヶ国に囲まれた広大なリフトレイク「マラウィー湖」に生息する淡水魚「アフリカンシクリッド」を紹介するために開設しました。

HPのコンセプトですが、初めてアフリカンシクリッドを初めて知った方・また飼育する方が、いつまでも楽しく飼育していただけるような情報をお伝えしたいと思います。特にアフリカンシクリッドは稚魚から成魚の成長過程で驚くほどの変化がありますが、稚魚しか見たことのない方はその魅力を理解する事が出来ません。その成長過程を紹介することによって、アフリカンシクリッドのもつ魅力が皆さんの水槽で存分に楽しめれば・・・・・さらに興味が深まりますよね。

ではアフリカンシクリッドの魅力とは何処にあるのでしょうか・・・。
それを深く知ることにより、さらにアフリカンシクリッドへの興味や探求心が沸いてきます。

ではアフリカンシクリッドの簡単なガイドラインとその魅力を紹介します。


  アフリカンシクリッドとは?


アフリカ大陸東部のマラウィー湖・タンガニーカ湖・ビクトリア湖に生息するシクリッドを「アフリカンシクリッド(湖産シクリッド)」と言います。シクリッドとは「スズキ目カワスズメ科」に属する魚です。

シクリッドは世界中に分布しています。同じアフリカ大陸産シクリッドでも河川産シクリッドの有名なディスカスもそうですし、中南米大陸に生息するエンゼルフィッシュやドワーフシクリッド(アピスト)、シクラソマに代表されるアメリカンシクリッドも同様にシクリッドです。(下記写真掲載)。
つまり、アフリカンシクリッドは世界中に生息する淡水シクリッドの一種と言うことになります。


  マラウィーシクリッドの種別

マラウィー湖に生息するアフリカンシクリッドには幾つかの種類があり、当然属で違うのですが、我々アクアリストには大きく分けるとムブナ・非ムブナで人気が別れています。

ムブナ
ムブナとは岩場を生息域としていて、非常にテリトリー意識の強いシクリッドです。主に岩に付く藻類や無脊椎動物を主食としており、体長も10センチ前後ながら立派な歯を持っています。テリトリー意識が強いと書きましたが、岩場に住み着く生物は非常に気が荒いものが多く、ムブナもその例に漏れません。体表色は原色系の発色を持つものが多く、美しいシクリッドです

非ムブナ
こちらの生息域は非常に多岐にわたっており、浅瀬から深場までと様々の様です。食性も多岐にわたっており、プレデター(魚食)・プランクトン食など、食性が体型や口、歯の形状に現れています。体表色はアウロノカラ属やプロトメラス属の様にカラフルなものから青み・赤みの強いものが多いですが、基本的にはメタリックブルー(マラウィーブルー)が基調色となっています。

以上を総合して、私はマラウィー湖に生息する非ムブナのアフリカンシクリッドのみ飼育しており、当HPで紹介してます。
   
ティラノクロミス ニグリベンテル プセウドトロフェウス・ゼブラ ヘッケル ディスカス フリードリッヒスターリィ
(ムブナ素材提供 あやちゃん)
  マラウィー湖とは?

マラウィー湖が成立したのは200万年前とされているそうです(周辺のタンガニーカ湖は1200万年・ビクトリア湖は1万2400年前・・・我々には気が遠くなるほど昔ですね)。これらの湖は大地溝帯に存在しています。大地溝帯とは大地の裂け目で、そこに水が溜まって出来た湖がマラウィー湖です。これらの大地溝帯の湖(リフトレイク)は、いずれは海とつながってしまうと言われています。

なお、人間も含め生物が進化した歴史のスピードを鑑みると、三大湖に生息するシクリッドは極めて早い進化を遂げています。よって研究者の間では、それぞれの湖の固有種が短期間で適応進化を遂げた魚として、興味深い研究対象となっているようです。




素材提供 東京工業大学大学院生命理工学研究科岡田研究室



素材提供  伴 忠道 氏


  ころころ変わる名前


ここで言う名前とは学名です。アフリカンシクリッドはよく名前が変わります。
通常、ショップで売っている熱帯魚は学名よりも流通名で販売されていることが多いですよね。たとえば熱帯魚を飼育したことのない方でも知っているカラシンの仲間「ネオンテトラ」は学名「Paracheirodan innesi」と言うそうです。またアメリカンシクリッドで有名な流通名「テキサスシクリッド」は学名「Herichthys carpinte」と言うそうです。

アフリカンシクリッドはインボイスネームなどの例外を除き、一般的にはそのまま学名が流通名となっています。しかし、実際は研究者でもアフリカンシクリッドの学術的な分類は詳細まで精査されておらず、過去はすべて「ハプロクロミス属」や「キルトカラ属」になっていた時期もあります。現在は様々な属種に再分類されており確立されつつありますが、まだまだ今後も呼称が変わる種も出てきそうですね。


  変貌する成長過程


上記のとおり、アフリカンシクリッドは幼魚の段階から成魚に至るまで、発色面で驚くほどの変化があります。
下の写真ではアリストクロミス・クリスティーを例に成長変化を雑駁に紹介しましょう。

【1】  幼   魚 【2】 オス 若魚時(発色前) 【3】 オス 成魚(ほぼ発色) 【4】 メス 成魚
素材提供 【1】レジェさん 【4】 asamaさん

上の【1】ような幼魚がショップに並んでいた時、アフリカンシクリッドを知らない人であれば、この段階で食指の動く人はまずいないでしょうね。確かに【1】の状態ではネオンテトラの方に目がいってしまいますよね。
しかしながら、オス個体の場合【2】を経て【3】のように、成魚は驚くほどの体表の変化(発色)があります。
このオスの美しい発色・・・HPのタイトルである Primary Blue〜原色の青〜の意味です。


  オス・メスの違い


クジャクや猿の一種などにも見られますが、オスが色彩の美しさを身につけており、メスは比較的地味な特徴や色彩しか持ち合わせていない種類があります。これらの生物ですが、雄が持つ特徴や色彩をメスにディスプレイすることによって繁殖活動をとっており、オスの美しさは婚姻色として使われているようです。

アフリカンシクリッドも同様で、上の写真の【3】ようにオスは青色(マラウィーブルー)に輝く美しい体表色となります。一方【4】の様にメスは幼魚と同様の体表色のままです。オスのマラウィーブルーこそが、アフリカンシクリッドの大きな魅力となっています。勿論ディスプレイをする繁殖行動も上記の生物と一緒です。

また一般的なアフリカンシクリッドのオスにはその美しい色彩以外に「エッグスポット」があります。
エッグスポットとは、尻ビレにある模様を指します。若魚時にオスメスの判断をする材料として、エッグスポットで確認する事もあります。ちなみにこの方法は有効な手段ではありますが、確実では無いようです。


   強い繁殖力


シクリッドキーパーは種類の如何を問わずワイルド(現地採取したもの)を珍重する傾向にあると思います。
対してブリード(自家繁殖させたもの)はアメリカのマイアミやヨーロッパ各地、東南アジアから輸入されています。ブリードされた個体の質ですが、一般的にはヨーロッパ・・・特にドイツが良質とされています。

ワイルド・ブリードを問わず、良質のシクリッドをペアで購入した場合、ブリーディングして仔を採る事もアフリカンシクリッド飼育の楽しみの1つです。またどうしても繁殖意欲に駆られてしまします。何故なら、アフリカンシクリッドは非常に繁殖力が強く、同一水槽内でオスメス両方が混泳している場合、オスのディスプレイにメスが誘われ、くるくる回りながら繁殖行動が行われる様子は感動的で、すばらしい光景です。先程も婚姻色の話に触れましたが、オスのマラウィーブルーはこのペアを組んでディスプレイするときこそが最も美しく輝く瞬間です。


  ハイブリッド

しかしその繁殖力の強さから、同属のシクリッド以外のペアで仔が出来てしまう事もあります。これが「ハイブリッド」です。ハイブリッドとは雑種・混成物の事を指します。自然界では進化の過程であり得ることですが、我々愛好家としては水槽内でのハイブリッドは作らない様にする方が多いようです。なぜなら種固有の美しさを損なってしまう恐れがあるからです。

過去、Nim.ベネスタスとDim.コンプレシケプス・・・全く属の異なるシクリッド同士を掛け合わせたハイブリッドが「ベネコン」という名前で流通・販売された事があるそうです。ベネスタスにはベネスタスの・・・コンプレシケプスにはコンプレシケプスの・・それぞれの特徴や美しさがあります。わざわざ属を越えてハイブリッドを作ることはないと思います。種の美しさを十分に尊重する愛好家が多いからこそ、ワイルドを珍重するのでしょうね。ただ、現地では絶滅の危機にさらされている固有種も少なくないようです。

品種改良された食品や製品など、我々の生活の中に沢山溢れてます。勿論熱帯魚の世界でも沢山の改良品種が存在し販売もされ、その価値も確立されています。しかし、私は自家繁殖でのアフリカンシクリッドのハイブリッドはタブーかなって思います。


  マウスブルーダー

さらに生態として興味深いのが、アフリカンシクリッドは口内保育(マウスブルーダー)を行う事です。口内保育とは、メスが産んだ卵を自身の口内で一定期間飼育することです。一般的には岩や流木に産み付けるものや、卵生メダカの様にそのままの形で産むのが広く知られてますが、口内飼育はマラウィー湖という環境の中で種を保存するために編み出された、独特で特徴的な産卵保育行動なのでしょう。


  始めませんか?アフリカンシクリッドの飼育

上記の様に、アフリカンシクリッドは美しく魅力に溢れた魚です。
私も単純にその青さに惹かれてアフリカンシクリッドを飼育した一人です。生き物を大切に育てる気持ちを持つこと、はやりの癒し系であること、インテリアとして・・・きっかけは何でもありです。
熱帯魚は面倒だから・・・そんな事も考えられます。誤解を恐れずに言えば、アフリカンシクリッドは普通の熱帯魚と比較しても楽な方かと思ってます。
なによりもその青さは、見るものすべてを引きつける事の出来る程の美しさです。

何気なくこのHPを訪問してくださった方が、アフリカンシクリッドに興味を持ってくだされば幸いです。